妊娠中のマイナートラブルでお困りではありませんか?
妊娠中には様々な体の変化が起こります。
今回の記事では、その中から「尾てい骨の痛み」について
柔道整復師、鍼灸師の国家資格者が解説します。
この記事では
- 妊娠中に尾てい骨が痛くなりやすい理由
- 妊娠中の尾てい骨痛に効果的なストレッチ
- 日常生活で注意するポイント
の3点をご紹介させていただきます。

妊娠中に尾てい骨が痛くなりやすい理由
妊娠中に尾てい骨が痛くなりやすい理由は大きく3つあります。
- ホルモンバランス
- 体重の増加
- 骨盤の位置の変化
それぞれ妊娠特有の体の変化になります。
この3つの体の変化により尾てい骨を痛めることが最も多くなります。
ホルモンバランス

妊娠中は生理サイクルがなくなり、放出されるホルモンも異なります。
今回大きく関係があるのが「リラキシン」というホルモンになります。
このリラキシンは、関節を固めている靭帯を緩める作用があります。
この靭帯を緩める作用により骨盤を出産に向けて開きやすくすることで、骨産道を広げる準備をします。
関節が軟らかくなることで、靭帯や骨などで支えていた部分が支えられなくなり、筋肉に依存しやすくなります。
その際、尾てい骨から骨盤を繋ぐ筋肉が引っ張られることで、尾てい骨に痛みを生じるようになります。
体重の増加

妊娠すると出産までに約11㎏増加するのが理想だとされています。
そうすると、約10カ月の中で11㎏の増加は急激な体重の増加といえるでしょう。
緩やかな体重の増加であれば、体重が増え体にかかる負荷が増えることで、支える筋肉も強くなることができるのですが
急激な体重の変化では、筋肉の発達が追い付かずに負荷がかかることで、尾てい骨周辺につく筋肉を傷めてしまい、尾てい骨の痛みへとつながっていきます。
骨盤の位置の変化

妊娠すると骨盤にも大きな変化をもたらします。
お腹が大きくなることで体の前側が重くなることで、バランスをとるために骨盤の位置が通常よりも前に傾いてしまい、腰は逆に体が倒れないように後ろ側に曲がるような姿勢の変化が起こります。
骨盤が前に傾くように倒れることで尾てい骨の位置が変わり、座るときに床や椅子の座面に当たりやすくなります。
その際、尾てい骨が床や座面に当たることで痛みが発生します。
妊娠中の尾てい骨痛に効果的なストレッチ
特に重要になるのは骨盤周辺につく筋肉になります。
筋肉が偏った使われ方や過度の疲労により硬くなり痛みを発しやすくなるため、ストレッチを行い筋肉の柔軟性や血流が良くなることで痛みの解消につながります。
また、適切なストレッチは骨盤を整える効果もあります。
股関節のストレッチ
- あおむけに寝て膝を曲げます。
- 左右の足の間隔を肩幅程度に広げます。
- そのまま右側に足を倒します。この時に両肩は床から離れないように注意しましょう。
- 30秒足を倒した状態をキープしたら元の位置まで戻しましょう。
骨盤を覆う筋肉のストレッチ
- あおむけに寝て膝を曲げましょう。
- 手を身体の横に置き、手のひらは床につけましょう。
- お尻の穴を締めながら腰を持ち上げましょう。
- 5秒キープしゆっくりと元の位置まで戻しましょう。
- 3セット無理のない程度で行いましょう。
日常生活で注意するポイント
普段何気なく過ごしている日常でも気を付けることで、尾てい骨の痛みを緩和させるポイントがあります。
意識をし辛い尾てい骨痛をやわらげましょう。
入浴
様々な負担により、尾てい骨や骨盤の周囲の筋肉が硬くなることで、尾てい骨に痛みが生じるようになります。
湯船に意識して入るだけで血流が良くなり、筋肉が柔らかくなることで、尾てい骨にかかる負担を減らします。
妊娠中の理想的な入浴方法
約40度のお湯で10分から15分を目安に入浴しましょう。
入浴には良い効果も多々ありますが注意も必要になります。
詳しくはこちらの記事でも紹介しておりますので一緒にご覧ください
→
ソファ
自宅で使われている方も多いのではないでしょうか?
ソファに限らず、実は身体に負担になっている姿勢が多くあります。
特にソファは深く座ったり、沈み込むような形で座るものがおおくなります。
こういった姿勢が長時間になることで、腰から骨盤、足に繋がる筋肉が硬くなり、姿勢の悪化につながります。
姿勢が崩れることで、尾てい骨の負担が増え、尾てい骨に痛みを生じてしまいます。
座る場合は、長時間にならないように1時間に1回は立ち上がり、体を軽く動かすようにしましょう。
まとめ
- ホルモン、姿勢、体重の増加の影響を受けて尾てい骨が痛くなる。
- ストレッチをすることで痛みを緩和させることができる。
- 入浴やソファなどの普段の習慣、姿勢に気を付ける。
いかがでしたでしょうか?
尾てい骨の痛みは妊娠中に多く見られるマイナートラブルの症状の1つになります。
上記の方法で痛みを緩和させることは可能ですが、どうしても痛みが改善しない場合は専門医での受診をお勧めします。
コメント