「なんだか疲れが抜けない」「夜なかなか眠れない」「イライラしやすい」
そんな不調、もしかすると自律神経の乱れが原因かもしれません。
自律神経、よく聞く言葉だけども具体的にどんな働きや役割があるのかご存知でしょうか?
今回は、鍼灸師の視点から
- 自律神経とは何なのか
- 自律神経をととえるためのセルフ鍼灸ケア方法
をご紹介します。
自宅でできる簡単な方法なので、毎日の習慣にぜひ取り入れてみてください!
自律神経ってなに?
自律神経は、交感神経と副交感神経という2つの神経で成り立っています。
通常は生活する上でこの2つの神経がバランスをとりあうことで健康に過ごすことができています。
このバランスが崩れると、睡眠の質が下がったり、消化不良や冷え、情緒不安定などの不調が現れやすくなります。
交感神経
交感神経は日中、活動するときに優位に働いています。
交換神経の主な働きは
- 血管の収縮
- 心拍数の上昇
- 血圧の上昇
- 筋肉の緊張
- 内臓の働きの抑制
になります。
運動している時など身体を動かす時はこの交換神経が活躍しています。
副交感神経
副交感神経は主に夜間やリラックス時に優位に働いています。
副交感神経の主な働きは
- 血管を拡張
- 心拍数を減らす
- 血圧を低下
- 筋肉の弛緩
- 内臓の働きを促進
リラックス時や睡眠をとる際に副交感神経が活躍しています。
鍼灸で自律神経が整う理由
鍼灸はツボ(経穴)を刺激することで、自律神経に働きかけることができます。
皮膚や筋肉に刺激が入ることで、体は生体反応を起こし刺激の入った場所の周囲の血管が拡張します。血管が拡張することで同様の働きを持つ、副交感神経が活発になるのです。
この反応を利用し、過度にストレスを受け交感神経が活発になっている際に副交感神経の働きを活発にさせることで、自律神経のバランスをとることができるのです。
また、副交感神経だけでなく、背骨の周囲に交感神経幹といわれるものが存在し、鍼で周囲に刺激を入れることで交感神経に働きかけます。
さらに、特定のツボに鍼灸刺激が入ることで自律神経に関係する内臓の働きを向上させ、精神面にもアプローチできるのが特徴です。
自律神経を整えるおすすめツボ3選
1. 百会(ひゃくえ)

- 場所:頭のてっぺん、両耳を結んだ線と顔の中心線が交わるところ
- 効果:頭の緊張をゆるめ、精神安定・不眠改善に効果あり
百会は目の疲れや集中力の向上などにも効果を発揮します。
ストレスの解消やリラックス効果も得ることができます。
2. 神門(しんもん)

- 場所:手首の小指側のくぼみ
- 効果:イライラ、不安、不眠に効果的。心を落ち着けるツボ
神門は精神状態に大きく関わるツボになります。
過度なストレスにより自律神経を乱した時に特に効果を発揮します。
3. 太渓(たいけい)

- 場所:内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ
- 効果:冷えを改善し、リラックスを促進。腎の働きを整える
太渓は足の冷えにも関係するツボになります。
生理不順や生理痛、更年期障害など婦人科系の悩みにも効果を発揮します。
セルフケアの方法
お灸(台座灸)

お灸はリラックス効果を高めるのに最適な方法です。
慣れていないうちは火傷のリスクもある為、早めにお灸を外し安全に行うように注意しましょう。
- ツボに台座灸を乗せ、火をつける
- 温かさを感じたら外す(無理に我慢しない)
- 夜寝る前に行うとより効果あり
- お灸後はコップ1杯の水を飲むことでさらに効果が上がりやすくなります。
セルフ指圧
指圧もお灸と同様に体をリラックスさせる方法としてよいでしょう。
痛みを生じるような強さでは押さずに「痛気持ち良い」を意識して押してみましょう。
- 指で、軽くツボを5〜10秒ほど押す
- 息を吐きながらゆっくり押すと副交感神経が刺激されやすくリラックス効果が高まります。
- お風呂後など体が温まっている時に行うとより効果的です。
ストレッチ
ストレッチはお灸や指圧と違いやり方により、副交感神経、交感神経と働きかける方が変わります。
副交感神経に働きかける場合
- 軽く伸びていると感じるところで30秒キープ
- 反動をつけないで無理に伸ばそうとしない
- 呼吸を止めずにゆっくり深呼吸しながらおこなう
交感神経に働きかける場合
- 軽く反動をつけながら伸ばす
- 一つの筋肉を回数を決めて動かす(10回程度)
- 連続して違う筋肉に対して行う
習慣にするためのコツ
セルフケアは習慣化することでより効果を発揮します。
人は習慣化できるまでに平均で約3週間かかるといわれており、その間はできる限り毎日続けるほうが効果的だといわれています。
習慣化できるまでは意識してセルフケアに取り組みましょう。
効率よく習慣化するためにはこの3つのことが特に重要です。
- 寝る前やお風呂あがりなど時間を決めルーティンに取り入れる
- お灸と一緒に深呼吸や軽いストレッチを組み合わせると効果アップ
- 無理なく、心地よくを心がけて続けるのがポイントです
まとめ
- 自律神経は交感神経と副交感神経からできている
- 交感神経と副交感神経はバランスとりあうことで健康を維持している
- 自律神経を整えるツボは百会・神門・太渓
- 自律神経はお灸・セルフ指圧・ストレッチでセルフケアすることができる。
自律神経はとてもデリケート。
ですが、毎日のちょっとしたセルフケアで整えることができます。
鍼灸は自然な方法で心と体にアプローチできる素晴らしいツール。今日から少しずつ、自分の体と向き合う時間を作ってみてくださいね。
続けてセルフケアを行うことであなたの体も自律神経が整い、体調の良い体を作ります。
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